日本企業におけるベンチャー経営者は、だいたい育ちがよい。
いわゆる大手企業の経験者が圧倒的だろうか。
それだけ世間一般で言われる良い大学、良い会社を経て起業
している。
しかも在籍していた企業で相応な成果を出してきている人が
ほとんどではないだろうか。
その分、失敗や挫折といった経験が少ないと感じる。勢い強
気な発言が目立つし、自信満々な態度ですべてに対応してい
く。失敗を前提に起業などしていないという態度だった。
そのことで「恥をかくことを恐れない勇気がいる」を消極的
にしているように思えた。また、恐怖感と勇気はもっている
が、それこそ恐怖感を強気な姿勢で粉飾しているようにみえ
た。さらに、経営者の勇気とは、失敗がない、あるいはなん
でもできるという自己暗示的な空威張りになっていることが
ありそうだ。
本来、取締役会などでオープン議論が尽くされていれば、こ
のような姿勢はなくなるだろう。経営のすべてにおいて経営
者中心主義の閉塞感が漂う組織運営から、真の意味で本当の
勇気や健全な恐怖心は育まれないだろう。