意思決定のむずかしさは経営者ばかりではない。中間管理職
も同様に日常的に意思決定を迫られる。
そのむずかしさは、複数の予測についてどれを選択するかと
いう択一問題ように決定しなければならないからだ。選択す
べき対象について、どれも正しいように思えるし、どれを選
択するか、と常に自分の決断を迫られることになる。
ベンチャー経営者の意思決定は、ほとんどすべてにおいて自
分で決定していかなければならいことだろう。だからこそ経
営者は、自分ですべてを背負い込むことになるのだが、あま
り検討ばかりしても不確な未来について誰かが正解をもって
いるわけではない。ある意味、心や感情による決定が必要に
なるだろう。
論理的な解があるものでも開発分野などでは、生産ラインの
設備設計など途方もなく時間がかかるケースがある。このよ
うなプロセスは、大手企業が多額の資金を投入しておこなっ
ても困難なプロセスをともなうものだ。ベンチャー規模では、
10分の1以下のコストで挑戦するわけだから、当然、多くの
困難が待ち受けているのは、起業以前にわかっていることだ。
それでも挑戦していくならば、意思決定はシンプルで素早く
おこない、大手企業のスピードにまさる検証作業を繰り返し、
実績を積み上げることが重要だ。
さらに、失敗のシナリオをもっておくことだ。グリッドもよ
いのだが、真面目で能力もある経営者だが、ビジネスでうま
くいかない人がいる。
真面目な人に限って、真面目に仕事をグリッドしようと頑張
るのだが、真面目に間違えるようだった。
成功にシナリオはない。あるのは結果だ。