ベンチャー企業の経営者は、理は立つが、勘が鋭いとは思え
ない。やはりスマートで理が立つことでベンチャーキャピタ
ルなどの出資を受けられるからだろう、と想像してしまう。
仮説検証はよくやるのだが、総合的なもの、いわば人間的な
部分が弱く思えた。
このことは、勘が弱いとも言えるだろう。だからか、あまり
人間的な魅力がある人がいなかった。
理が立つために楽しさやおもしろさといった人間的な情感に
訴える力が弱いとも言える。
徹底的に理詰めでくる。
しかも経営者だけが理解できている理であるから、この理解
はひどくむずかしい。
人を見るにも勘が必要だ。勘も自らが実行し失敗することで
磨かれていく。当然、成功できたとき、勘はさらに冴えてく
るし、自分自身の人生に大きく影響してくるようになる。
勘をよくするには、仕事や自分が目指す目標が必要だ。その
ことに注力することが、自分が本来もっている勘を磨く近道
だ。
考えると同じだと思うかも知れないが、考えることも入って
はいるが、それよりも広い概念であり心で思うことも入って
いる。そして自分の体で感じることができるようになると勘
となるのだ、と私は思っている。
良い勘を作る前提は、仮設検証で磨き上げた勘を着実に実践
することだ、と信じる。