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事業展開

セブンイレブンにおける宅配ピザ参入の背景を考えてみる

先日、セブン―イレブンが宅配ピザ参入へ、首都圏・北海道
・九州200店舗…最短20分で配達、と読売新聞オンライ
ンで読んだ。
この記事を読んで、企業の売上競争がここまできたか、と私
は思った。これまではピザ事業は、ある程度棲み分けができ
ていた分野だったが、そこに新規参入するわけだから経済成
長している時代なら、セブンの参入はピザ専業企業双方にメ
リットがあっただろうが、この時代の参入は生き残りをかけ
た戦いになりそうだ。

そんなことを思っていたら、一昨日「小売り大手のセブン&
アイ・ホールディングスが11日発表した2024年3~5
月期連結決算は、純利益が前年同期比49.3%減の213
億円にとどまった。主力のコンビニエンスストア事業が日米
ともに苦戦。インフレ下で消費者心理が冷え込み、客足が伸
び悩んだ」とメディアが報じていた。
また、先日新聞の折り込みチラシのなかにセブンイレブンの
クーポン券のチラシが入っていた。
めずらしいことなので妻に伝えてみたが、反応はなかった。
そもそも、高齢の夫婦がセブンイレブンでなにかを買うこと
自体がほとんどない。地場スーパーと生協の宅配で十分だ。

セブイレブンに限らず他のコンビニにおいても、これまでは
店舗数を拡大していく戦略がメインだったと思う。
それも限界に近づいているのだろう。
これは、私が身近にみている感覚でそう思うだけであり、AI
の分析ではまだ店舗拡大の余地があると回答してきた。
私見だが、セブンに限らず他のコンビニでも店舗当たりの来
客数と売上が横ばいになれば、次の展開を検討するだろう。
来店しない人たちから売上を稼ぐ戦略は、確実に増収になる。
その点、ピザの宅配事業は他の企業において実績がある。
ピザーラやドミノピザといった宅配をおこなう企業は、宅配
事業で成功し、安定した売上を獲得しているようだ。
ちなみに、AIによれば、ドミノピザの2023年6月期の売上高
が790億円、店舗数が1015となっていた。
ピザーラの売上は微減となっている。

コンビニのよいところは、店舗内に酒類があったり、おつま
みがあったりと、ピザと同時に購入できる商品が多く(記事
には3000アイテムと書いてあったが)あることだろう。
宅配を希望する人たちからみれば、ピザ以外の商品を同時に
購入することで他の店へいくなどの手間が省けることだろう。
私は、ピザの宅配は利用したことはあるが、それ以外の宅配
を利用したことはなく、今では息子たちが帰宅したときに、
宅配より安くなる店舗受け取りでピザを購入している。

同読売新聞の記事では「セブン―イレブンは4日、焼きたて
ピザの宅配サービスを8月から始めると発表した。注文を受
けてから店内のオーブンで焼き上げ、最短20分で配達する。
首都圏と北海道、九州の約200店舗で始め、順次拡大する
方針だ。<中略>
利用者は、セブン―イレブンの商品配達サービス7NOW
(セブンナウ)のアプリやウェブサイトから注文する。別途
送料がかかる。店内で注文し、直接受け取ることもできる」
と続いていた。
さらに「セブンナウは食品や日用品など約3000点をそろ
える。由井大輔マネジャーは説明会で本格的な焼きたてピザ
を他の食品や飲料と一緒に注文できる、と述べ、宅配ピザ大
手に対するセブンの強みを強調した」とあった。

課題は、ピザの味などの中身だろう。
ドミノピザなど既存の宅配企業が作るピザは、価格とうまさ
のバランスがよい。これに立ち向かうには、相当なレベルの
ピザが求められるだろう。
コーヒーでも実績を作ってきたセブンイレブンだから、競合
に伍していける相応なピザを出してくるだろうというわくわ
く感がある。
失敗すれば失笑ものだが、コーヒー並みの覚悟をもってやっ
てくるだろう。どのような展開になるか見物人は楽しみだ。

他方、仕掛けられた既存のピザ宅配事業者はどう対抗するの
だろうか。ローソンやファミマなどと提携しながら、対抗し
ていくことも考えられる。
ピザーラの今後も気になるところだ。事業売却なども検討さ
れるかだが。
いずれにしても市場が縮小するなかで売上を拡大するために、
他の企業の売上を自社へもってくることは当たり前の戦略だ
ろう。いわばピザ市場におけるパイの奪い合いがはじまると
いうことだ。
このことは、なにもピザに限らないだろう。
これからあらゆるところでパイの奪い合いという競争は激化
していく。むしろ私がみていないところではじまっているは
ずだ。

私は、競争に負けていく企業を身近にみてきた。
今もあるホームセンターが撤退するのではないか、と想像し
ている。
理由は、店舗内の商品在庫がなく陳列棚がすかすかだからだ。
平日だったが、お客はおらずスタッフのほうが多いようにみ
える。近くに競合他社の大型タイプのホームセンターができ
た。
損切りするタイミングだろうか。
あるいは特定の商品を中心とした専門性を活かした店舗に変
えていくかのターニングポイントだろう。
しばらく様子をみることになる。
中型タイプのホームセンターではるが、品質がよい商品が多
く、また園芸用土や芝の目土、あるいは肥料などかさばる商
品の購入が、比較的楽にできるように店舗レイアウトが工夫
されている。私は、このレイアウトが気に入っていた。

ところが、先月、私は腰を痛めたのでAmazonではじめて芝
生の目土を購入したが、これが驚くほど高品質だった。
価格もホームセンターで購入するものとそれほどかわらない。
むしろ品質を考えれば安い。驚いた。
唯一の欠点は、すぐに配送されない商品だったが、わが家は
常に遅配OKなのでなんら問題ない。
先日、水も重たいのではじめてAmazonへ注文した。
こうして身近な店舗の売上は、ネットの売上に変わっていく
のだろうか。
生鮮などの食料品を除けば、あらゆるものがネットで購入で
きる時代だ。もっとも、楽天やAmazon、あるいはスーパー
などの一部では、生鮮を含む食料品をネットで購入できるの
だが、わが家ではもうすこし先になるだろう。
少子高齢化で市場が伸びない時代は、成長余力がなくなって
おり、企業間競争が激化することはあっても、各企業が同じ
ように成長することはもうないだろう。
今回の記事は、国内においてすさまじい競争時代に突入して
いくことを暗示しているようだ。
当然だが、倒産が増えていくはずだ。

こんなことを書いていたら、昨日、朝日新聞デジタルに次の
内容が報じられていた。
あらゆる物にこれまであった棲み分けはなくなるのだろう。
勝者がどの企業になるかわからない競争社会が登場している。

【記事一部抜粋】
『コンビニ大手ファミリーマートの細見研介社長が12日、朝
日新聞のインタビューに応じ、衣料品専門店の出店を検討す
る考えを明らかにした。ファミマは「コンビニエンスウェア」
というブランドで売る衣料品が好調で、専門店を出すことで
さらに売り上げを伸ばしたい考えだ』
さらに『「コンビニエンスウェア」はシンプルなデザインと手
ごろな価格で人気を集め、販売額は年100億円を超えるという。
今後の施策を聞くと、コンビニでは置ける衣料品の点数に限
りがあるため、売り上げをより増やすには「(商品を)入れ替
えるスピードを上げるしかない」と話し、新商品の投入ペー
スを早める考えを示した。
その上で、「店舗の形態を変える。(衣料品を)分離した店舗
も検討していきたい」と専門店の出店について言及した。動
き出す時期などは明言しなかったが、海外高級ブランドが時
計や香水などに特化した店舗を展開するのを引き合いに「カ
テゴリーが育ってくるとそういったことは可能になる」と話
した』

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