現在の経済情勢が続いていけば、銀行とてこれまでのような
経営はできません。この30年間の大手都市銀行の推移をみ
れば簡単に理解できることです。
この流れは地方銀行にもありましたが、その速度がこれから
はやまってくるのは間違いないところでしょう。
その大きな理由は、地方の企業では後継者などがおらず廃業
していく企業が増えているからです。当然ですが、銀行から
みれば、貸出先が減っていきます。銀行が他の銀行と提携し
たり、合併するということは、この流れからさらに続いてい
くことになります。
銀行にとっては、このようななかで新規取引ができることは、
営業政策上、重要になってきます。
現在、1行だけと取引をしているような場合で、経営も順調
であれば銀行取引を増やすことも検討すべきです。
やはり競争がなければ、有利な取引条件は生まれません。
父がおこなっていた個人事業でさへ3行の銀行と取引してい
ました。
銀行には、それぞれ特徴がありますが、それでも1億円以上
の借入があるような場合は複数の取引が必要です。
経営者によっては、めんどうだということで1行だけと取引
しているケースも多いのですが、経営が順調であればこそ、
銀行取引を増やしておくのは借入のためだけではありません。
銀行というところは、お金だけが主体のように思えますが、
実は情報産業でもあります。
小さな企業ほど、銀行から学ぶべきことがたくさんあります。
たまには必要がない借入や預金をお願いされたりましますが、
長く付き合えば、いろいろ面で経営者をサポートしてくれま
す。また、経営者にとって資金繰りなどで緊張感をもたせて
くれます。
小さな企業のうちは、自分で資金繰り表を作成し、自分で銀
行の担当者へ説明することに意味があります。
このようなことを継続することで経営能力が高まり、企業が
成長したとき他の人へ資金繰りをまかせても、資金繰り表を
みただけで経営内容が理解でるようになります。
めんどくさいことから逃げずにやるのが経営力をつける最善
の方法です。