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中小企業

中小企業に本当の覚悟が求められる時代がやってくる

中小企業には、覚悟がいる厳しい時代がやってきそうだ。そ
の理由は、最低賃金の改定と厚生年金保険の適用要件
が大幅に変更されることだ。
現在の最低賃金は、現在の時給では全国平均で1004円だが、
次年度の最低賃金に関して、24日夜、労使双方が参加した審
議会で決着し、時給で50円、率にして5%引き上げることで
まとまった。引き上げ額は現在の43円を超えて過去最大とな
る。

林官房長官「2030年代半ばまでに1500円となることを目指
す」としている。記者会見では「最低賃金の力強い目安の取
りまとめを歓迎したい。政府としては中小・小規模企業のた
め、労務費などの価格転嫁をいっそう図るとともに労働生産
性の向上を全力で支援していく」と。
今後、最低賃金が下がることは原則ないと考えておいたほう
がよさそうだ。

さらに厚生年金適用の拡大だ。
政府は、個人事業においても従業員が5人以上の個人事業所
において適用事業所とする改正案を来年の通常国会に提出す
る予定だ。また、パートなどの短時間労働者などは、本年、
10月からは法人(従業員51人以上)が適用事業所となるが、
来年、短時間労働者の厚生年金適用条件であった事業所規模
の要件を撤廃する考えだ。
これにより新たに90万人が厚生年金の加入対象となる予定と
している。

国が、このような中小規模の事業者に対して厳しい適用条件
を迫ってくる目的のひとつには、年金原資の確保があるだろ
う。
同時に、私は別な目的を感じている。
その目的とは、中小企業の統廃合や廃業をすすめていく狙い
があるのではないかということだ。

その前提になるのが労働人口の減少だ。
簡単に言えば、中小企業から従業員が不足する中堅企業や大
企業へ移動させることだ。このような企業は、生産性が高く
厚生年金の適用が可能であり、最低賃金以上の給与を支払え
る能力をもっているからだ。
現状でも、すでに労働者の移動ははじめまっていると思うが、
さらに移動を加速させ、労働者が不足している大規模事業所
へ移動してもらうことを狙っているのだろう。
規模と生産性の向上を狙い、給与水準を上げていきながら、
同時に年金等の原資を確保することになる。

これまでのように労働者の雇用を前提とした中小企業政策は、
徐々に縮小されていくだろう。
労働者自体が自主的に中小企業から中堅や大手企業へ移動す
るのだから中小企業を育成していく意味を失う。
競争力がある中小企業は、黙っていても生き残るだろう。
それが資本主義だ。

中小企業においては、いちはやくこのようなわが国の労働人
口が減少していく社会の実態を知ることで、事業の抜本的な
転換をおこなうか、さもなくば経営統合や廃業する決断が求
められてくる。

国や国民が生存するための条件が変われば、国の政策が変わ
るのは必然だ。
雇用の前提である最低賃金の確保や厚生年金の適用ができな
い企業とは、社会に存在する前提や価値がない企業というこ
とだ。
真に厳しい時代がくる。

私が仕事をさせてもらっている企業では、大型投資をおこな
ない事業転換をすすめている。また、厚生年金の適用は以前
からしっかりとおこなっており、従業員は定着している。
まだ、課題もあるがこれが実態だ。

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