最近読んだ記事の中にあった言葉だが、今の時代だから
こそ必要な言葉だろうか。
私はソニーのマネジメントが好きだ.
その一方で、ソニーのマネジメントには言葉がなかった。
いわば感覚の世界だ。
だが仕事は、おもしろくて、ゆかいで、楽しい、と思わせて
くれる人(経営者)の存在そのものがマネジメントだった。
マネジメントについて調べると「組織の成果を上げるために
ヒト・モノ・カネなどの経営資源を効率的、効果的に活用し、
リスク管理も行いながら、あらかじめ設定した組織の目標や
ミッション達成を目指すこと」とある。
私が在籍していたソニー子会社のマネジメントの特徴は、や
りたいと思っている個人の裁量権を大切にしていたことだろ
う。
自由にやらせてもらえるが、仕事に責任をもつことになる。
職制だけに限らず、社員個人でなにかをやりたいことがあれ
ば、自ら提案し、承認されれば実行することができた。
職制からみれば、一般的な組織形態をもっていたので、組織
図をみれば普通の会社と同じだ。
課単位で事業計画を作成していたので、課長職が裁量権の起
点だった。
課長クラスの裁量権を活かしたマネジメントスタイルともい
えるだろう。
それでも、このような経営スタイルは、なにもソニーだけで
はないだろう。
マネジメントの本質とは伝えにくいものだ。
だからこそ、独自性があるともいえるのだが。。。
しかも、話しても書いても伝わらないだろう。
それはそれでしょうがない。
人から人へ伝承されていくだけだ。
ほんとうにユニークだった。
マネジメントの本質を伝えるエッセンスとしての言葉が必要
なのかもわからない。
私は苦手だ。
理由は、言葉から行動へつながる部分はどのようにおこなわ
れるのかという点で、常にブラックボックスだからだ。
やはり人(個人)にいきついてしまう。
それでも、マネジメントのエッセンスとしての言葉をみると、
リストラばやりの今の時代、とくに新鮮に思える。
・会社の資産としての人材を大事にする
・目先の利益にこだわらず長期的利益を求める
・会社の利益と個人の利益が一致するよう努力する
・企業を働く人間にとって快適な場所にする
・空論より現場を大事にする
・公平性を重視する
・長期的な人間関係の熟成
・人間が「多機能」
どれも日本的経営の本質とされる言葉だ。
なにも日本企業だけではないだろう。
米国の企業でも同様な経営はおこなわれているようだ。
長く社会のなかに存続している企業をみていると、経営に日
本型も欧米型もないのではないか、と私は考えている。
どのようにしたら、人間が、このような言葉から具体的な行
動へ転換できるかだが、言葉だけで言い表すことはむずかし
い。
残念だが、経営者は自分で考えて行動するほかない。