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労務管理

役職者を降格させる場合でも注意が必要な点がある

私が知る限りだが、役職者(管理職)を降職させることは、
普通におこなわれていたが、問題は給与だ。
私が在籍していた企業では、管理職の給与は固定給と業績賞
与の二つの区分しかなかった。
また年俸制のため、役職手当はなく管理職別の標準給与が設
定されていた。
降職した場合、いわゆる役職を降りた場合だが、固定給は変
わらないが業績賞与は変わってくる。業績賞与は、毎回明確
な査定があるからだ。

一般的に役職者については、会社が、その社員の能力や勤務
態度に対応して役職の適否を判断した場合、役職を下位に引
き下げたり、役職を外すことが、原則としておこなうことが
できる。
また、役職が下がったことで役職給を下げたり、役職がなく
なったことに対応して役職給の支給を停止することに関して、
本人の同意がない場合でも適法と判断した裁判例が多くなっ
てきているようだ。

ただし、給与の引下げは本人にとって大きな不利益になるた
め、役職を引き下げたことで賃金が下がった場合、裁判卜ラ
ブルに発展することも少なくない。本人に対して必要な説明
をして可能な範囲で本人の納得と了解を得ることだ。
また、訴訟になるようなケースを想定し、会社が対象者の役
職を引き下げる判断した理由を十分説明できるようにしてお
くことが必要だ。

さらに、次の場合は、降格に伴う賃金の減額であっても慎重
な対応が求められる。

(1)役職給の減額や支給停止にとどまらず、基本給を減額
する場合、(2)役職を下げる合理的な理由がなく退職目的
の降格をおこない、給与を下げる場合、(3)役職が下がっ
たり役職から外されているが、実際の職務内容や責任の程度
に変更がなく、賃金だけが減額されている場合、(4)有給
休暇の取得など、正当な権利行使を理由に降格させ給与を下
げた場合、(5)2段階以上の極端な降格の場合、(6)妊
娠、出産、育児休暇などの取得を理由に降格させ給与を下げ
た場合等は、いずれも不合理な降格、降職として違法とされ
ると、考えておいたほうがよい。

企業における労働問題は、必ず信頼できる労働専門弁護士に
相談しながら対応を進めることだ。
労働問題は、企業の中で発生する問題のなかでもかなりむず
かしい分野であり、高度な専門性が求められるからだ。

また、どのような労務管理でもなかなか簡単にいくものでは
ない。理由は、それぞれの社員の人生がかかっているからだ。
そんななかで人事労務担当者は仕事をしていることを経営者
は、とくに理解しておかなければならないだろう。

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