銀行から借入をおこなえば、必ず個人保証が必要になります。
事業の不振などによって借入金が返済できなくなれば、個人
の財産を銀行に差し押さえられる。いわば日本の金融機関を
守るためにつくられた制度だからです。。
個人保証制度は、先進国ではない制度らしい。日本の金融制
度は、今もだが後進国なのだと、私は思っています。
この制度のために、日本では、経営者の再起をむずかしくし
ています。また、国民性もあるようだが、商才があっても、
失敗すると後ろ指を指されることが多いのも特徴でしょうか。
私は、中小企業で働いたとき、経営者の個人保証を銀行から
外すことなど考えたこともありませんでしたが、個人保証を
はずすチャンスはあるようです。
私は、株式公開を目指している企業で仕事をすることが多か
ったので、上場の条件に個人保証をはずすことが前提となっ
ており、この場合、銀行は個人保証をはずすことに応じてく
れます。
他方、中小企業の経験が少なかったこともあり、個人保証を
はずすなどと考えもしないで借入をしていました。
経営者なら、誰しも個人保証を外したいと考えているでしょ
う。だが、好業績を続けていても銀行から「個人保証を外し
ましょう」とは言ってくれません。銀行にとっては、デメリ
ットしかないからです。
ある経営者に聞いた話ですが、個人保証を外すチャンスはあ
るらしいのです。
新規の融資を引き出すときがチャンスのようです。当然、普
通は複数の銀行と取引をしている。融資において銀行を天秤
にかけるが、その際、A銀行は、個人保証なしで検討してくれ
ると、言ってみたようだ。メインの銀行は融資を確保したい
ために、個人保証をはずしてくれたそうです。
こんな交渉ができるのか、私にはにわかに信じがたいものが
がありましたが、契約書がそれを証明していました。
この経営者の方は、いろいろなことをやってくれるものだと、
心底感心しました。
保証協会付き融資では、ある一定の条件を満たせば、保証人
を外す、という制度が、2024年3月15日から 始まりました。
①新規融資、②債務超過ではない、③ 2期連続赤字ではない、
④会社から社長が借入をしていない。
以上の条件に該当すれば、借り換えして対応するとができま
す。詳細は、保証協会で確認してください。
しかし、既存融資については簡単に外してくれません。そん
なとき借り換えを提案することで、既存の融資残を返済し、
新規の借入をします。銀行は、こちらの対応によっては、新
規融資になるので、保証なしの融資に応じてくれることもあ
るようです。
もっとも、保証を外すのは、相当むずかしいことですが、先
ずどの銀行でもよいので1行外すことを目標にして愚直に実
行してみることです。成功するかどうかはわかりませんが、
これもやってみなくてはわかりません。
私の知っている経営者は、ダメ元が得意なようです。
だから、いろいろなチャンスを捕まえてくるのでしょう。
私もダメ元タイプですが、レベルが違いすぎます。優秀なタ
イプのダメ元です。学ばせてもらうことのほうが多いでしょ
う。