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労働基準監督署

労働基準監督署の調査の種類を知っておこう

労働基準監督署が行う調査の種類は、「定期監督」「申告監
督」「労働災害を契機とした監督」の 3種類があります。
私は、会社は違いますが、そのすべてに対応してきました。
それほど頻繁に調査はなされているようです。
「監督」とは、企業に調査に入って問題点を見つけ、その点
を改善してもらうという一連の業務のことです。

「定期監督」は、行政の方針や計画に基づき行う監督です。
「定期」とは3年おきとか 5年おきのように、実施する間隔
が定期ということではありません。
事業場所に問題があつて調査に入るということではなく、行
政が計画的かつ定期的に行う調査という意味合いです。
「定期」とついていますが、同じ事業場に調査に行く頻度は
不定期です。

その時々の国の政策に対応して、何年間でこういつた業種の
調査をおこなうという計画であり、そのときの方針や計画に
基づいて行う調査です。
調査対象の事業場は無作為に選ばれています。
事業場は無数にあり、全ての事業場に調査に行くことは不可
能ですから、無作為にピックアップされているようです。

ちなみに、ずいぶん前になりますが、当時東京の港区だけで
約3万社の会社があると、元労働基準監督官の方に聞いたこ
とがあります。それに対して労働基準監督官の人数は、港区
だけで十数人と言われていたように記憶します。
正しくないかもわかりませんが、要は労働基準官監督官の人
員は少なく、すべての企業を調査することはできません、と
いうことを言われていました。

通常は、事前に事業所に連絡をせずに調査に入ってきます。
調査時の事業場の状態をありのまま調査するために、予告な
く調査に入ってこられます。

私が経験した定期監督では、事前に連絡があり、調査対象と
なる書類を明示してありました。また、報告を労働基準監督
署へ直接持参したケースもあります。
定期監督は、事業所における労務管理をきちんとやっていれ
ばそれほど問題となることはありません。
私の場合、入社後、労務管理の改善を図った段階で定期監督
を受けましたから、問題なく終了しました。

次の「申告監督」ですが、これはかなりやっかいです。突然、
事業を訪問されて調査をされます。当然、その時点の労務管
理の状態を直接調査されます。

申告監督は、定期監督と違って、労働者の申し立てによって
調査に入られます。労働基準監督署の窓口で、労働者が、賃
金不払、残業代の不払、解雇などに関する相談を受けて、相
談内容から法律違反の疑いがあると判断した事案について、
労働基準監督官が事業場に調査に入ってきます。
最も多いケースは「賃金不払」だといわれています。

「申告監督」の場合、あらかじめ連絡を取って調査に入るこ
とが多いと言われていますが、私が経験したケースでは、す
べていきなり調査に入ってこられました。
そして労務管理上の書類を、その時点で任意提出させられま
した。その後、時間外労働に関して是正勧告を受けました。
企業にとって大きな問題となり、労働専門弁護士を入れ1年
かけて是正勧告を取り下げてもらいました。

申告監督は、企業側では注意を払う必要があります。
対応に手順があります。
申告監督は、労働基準監督署は事前に連絡を取って調査を実
施するケースが大半といわれているようですが、私の経験で
は、必ずしも事前に連絡をとっておこなわれる場合だけでは
ないと思われます。

最後になりますが「労働災害を契機とした監督」があります。
こちらは労災事故が起こった場合に、災害発生状況を確認し
、再発防止を指導することが目的の調査です。
事故による外傷のみならず、疾病の労災請求があった場合も
調査に入ることがあります。

私が経験したケースは、労災請求によって調査に入られまし
た。これもなかなかむずかしい問題を発生させます。
申告監督同様に、是正勧告の問題が発生しました。
私が経験したケースでは、やはり労働専門弁護士にはっても
らって企業側の主張の正当性を主張して是正勧告を受けない
ないようにしました。
もちろん、労災の事実に関しては、事実をありのままの主張
します。

今では、調査対象となる疾病の種類は、脳疾患・心臓疾患・
精神疾患ですが、これらの疾病の原因が長時間労働であると
の訴えがあった場合に、実際に長時間労働があったのかどう
かを確認しながら調査されるようです。

「労働災害を契機とした監督」をする際、事前に事業場に連
絡をするかどうかは臨機応変のようですが、私が経験したケ
ースでは、事前に連絡がありました。
事案の内容によって連絡を取るか、連絡をしないで直接行く
べきかは、調査を担当する労働基準監督官が判断するとされ
ています。

いずれにしても労務管理をしっかりとやっていれば問題はあ
りません。
労務管理ができていなければ、労働基準監督署から相応な指
導と勧告を受けることになり、企業はその対応に追われるこ
とになります。
この点ができていない企業の様子が、私には目に浮かびます。
さて、経営者には、どのような経営をされておられますか、
と聞いてみたくなります。

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