日本の企業社会では、なかなかリーダーが生まれないといわ
ています。理由は、たくさんあるのでしょうが、私は、リー
ダーを学ぶ機会が少ないからだ、と思っています。
だからこそ、大手企業では、各運動部出身の選手などを採用
しているのではないでしょうか。
たとえば、ラグビー部出身者とかいう声が聞こえてきたりし
ます。私の経理時代の大手銀行の担当者はアメラグ出身者で
した。この担当者は、昇進していきましたが、組織をまとめ
る仕事には就きませんでした。
人には役割があります。リーダーも一つの役割にすぎません。
ラグビーなどの運動をしていれば、リーダーがいなければチ
ームがまとまりません。運動部では、運動能力、いわゆるス
キルが高い選手もいれば、選手をまとめてチームを強くする
ことができる人がいます。
必然的にチームでは、各選手の役割が生まれてきます。結局、
運動部で重要なことは、スキルが高い選手ばかりがいるわけ
ではないのですから、いかにチーム力を上げれるか、という
ことに尽きます。
そこにリーダーの役割が必要になり、リーダーをやれる人間
を監督が選抜するか、チームのメンバーから選ばれてくる人
間がリーダーとして役割を担いながら、リーダーが育成され
てるように思っています。
ところが企業社会では、業績を上げる人が管理職や経営職に
なることが多く、リーダーとしての役割ができるのか、と言
えば、できる人もいれば、できないまま昇進していく人たち
も多くいるように思います。
管理職をみていれば、リーダーとしての役割を担える人と、
残念ですが担えない人が明確になってきます。個人の業績を
あげることはできるのですが、チームとしての績を上げるこ
とは苦手な人がいます。
このようにリーダーとして人選をした人がうまく機能しない
場合、すみやかに役割を解除して、別な人をリーダーとして
選任して部門や課を担えるかどうかを判断するための交代が
必要になります。
これをうまくやれる企業は成長していきますが、反対にリー
ダーとしての役割を担えない人が選ばれて、組織を任された
ままにすると組織は混乱していき企業の成長は止まります。
中小企業の経営者は、リーダーとしての役割ができる人を発
見し、スピーディーに選任し、組織を担当させてその実行能
力を把握するかが問われています。
選任の問題が致命的になるのは、間違っても高い業績を出す
ことだけが得意な人、組織をまとめてチームの業績を出すこ
とがうまくできない人を、そのままリーダーとして組織運営
を任せてしまうことです。