ホシザキは『2019年に販売子会社の不適切取引について第
三者委員会の調査報告書を公表した。これまで判明してい
た販売子会社のホシザキ東海(名古屋市)に加え、ホシザキ北
海道(札幌市)など4社でも不適切取引があった。報告書は営
業目標ありきの子会社の実態や、本社のリスク管理体制の甘さ
を指摘した。新たに不適切会計が発覚したのはホシザキ北海道、
ホシザキ北関東(さいたま市)、ホシザキ阪神(大阪市)、ホシ
ザキ中国(広島市)の4社。営業目標を達成するために売り上
げを先行計上したり、追加発生した費用を取引先に負担しても
らう代わりに、後ほど架空工事などで埋め合わせしたりする行
為があった』とメディアが報じている。
会計不正が発覚すると企業の信頼を損ねるだけではなく、調査
費用と過去の有価証券報告書の訂正などで莫大な費用がかかり
ます。
ホシザキの会計不正自体は数千万円規模でしたが、調査費用は
約11億円かかっているようです。
会計不正というと経営者が主導する粉飾決算をイメージするこ
とが多いと思われますが、真面目な技術者でも関係があること
なのです。
製造業における会計不正は数多く発生しています。
現場の管理職が軽い気持ちでやっていることが、積もり積って
会計処理の大きな問題に発展していきます。
会計不正は、会計ルールを守らなかったという重大な違反です。
より本質的な問題は投資家や債権者を欺くことです。
株主は、会社の決算報告を信じて投資家が株式を買っているの
で、粉飾が発覚して株価下落や上場廃止になると投じた資金を
失います。さらに、会社が破綻すれば融資した銀行も損失を被
ります。機関投資家や銀行の資金の源泉は国民の年金や預金で
すから、会計不正は、私たち個人の資産の損失につながってい
きます。
不正について、このように多くの企業で発覚していくとなると、
第三者委員会の調査費用だけでも大きな額になってきます。
不正によって故障や事故が起きれば、莫大な損失を被り、企業
が倒産することもあり得るのです。
代表執行役は、企業における不正を許さない体制とともに経営
者自信の生き方を確立しておかなければなりません。
いろいろと言われますが、結局、経営者に問題があるから不正
は発生する、と私は考えています。