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解雇

解雇規制は時代錯誤の法律になってしまった

解雇規制に関しては、これまで期間雇用の労働者の雇い止めを
保護する判例が続出しました。
判例としては、東芝柳町工場事件と同様に有名な日立メディコ
事件があります。
この事件は、2カ月の雇用契約が5回更新された事例で、契約
が更新され続けたことによって、契約は「期間の定めのない契
約に転化したということはできない」としながらも、雇用関係
の継続への期待は認められるとして、雇い止め制限の余地を認
めた判例です。

雇用契約書を取り交わされていたものですが、単なる形式化し
ていたものだ、とされましたが、判例では、次の内容が明示さ
れています。

1.期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至つて
いる契約であると認められたもの <実質無期契約タイプ >
ほとんどのケースで雇い止めは認められていません。

2.雇用継続への合理的な期待が認められる契約であるとされ 、
その理由として相当程度の反復更新の実態が挙げられているも
の <反復更新タイプ>
経済的事情による雇い止めについて、正社員の整理解雇とは判
断基準が異なるとの理由で、雇い止めを認めたケースがかなり
みられます。

3.雇用継続への合理的期待が 、当初の契約締結時等から生じ
ていると認められる契約であるとされたもの<継続特約タイプ >
当該契約に特殊な事情等の存在を理由として雇い止めを認めな
いケースが多くあります。

解雇規制に関する問題は、上記内容が労働契約法の条文とされ
たことです。

使用者からの申し出による一方的な労働契約の終了を解雇とい
いますが、解雇は、使用者がいつでも自由に行えるという
ものではなく、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念
上相当と認められない場合は、労働者をやめさせることはでき
ません(労働契約法第16条)。
解雇するには、社会の常識に照らして納得できる理由が必要と
なりました。

このことによって、今般大手企業が人員削減をおこなう場合、
迅速性が損なわれ、リストラクチャリングが遅れる原因となっ
ている、と私は考えています。
解雇規制は、中小企業の問題ではありません。あくまで大手企
業が対象です。社会に対する影響が大きいと思っているようで
すが、社会全体における雇用者数は、約30%(1000人以
上の企業)です。

法律の内容が経営環境が大きく変化するスピードと合っていな
い典型的なケースです。
自民党総裁選で解雇規制がひとつのテーマになっていましたが、
小泉氏はこの点を指摘していたのですが、日本人は解雇という
考え方に、そもそも否定的です。

しかし、このことが大手企業を弱体化させ、引いては、中小企
業を巻き込んでわが国の経済力を衰退させていくことになるの
だ、と私は考えています。
簡単に言えば、大手企業が終身雇用をしていく経営環境がなく
なってしまったのです。有名な大手企業が何社も倒産する姿を
みるまで、この国の人たちは考えないし、行動しないのでしょ
う。

解雇規制の問題は、今の日本を知るにはよいテーマです。

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