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決算書

決算書は曖昧さが残るものだが可能な限り適正な処理をしておく

決算書の初歩的な知識しかない人でも売上の推移を見てい
けば、その企業や業界の景気の動向がわかります。
一般管理費の増減を見れば、リストラをしているかどうか、企
業における社員の処遇(給与)などがわかります。
現金、預金や、売掛金の増減を見れば、その企業の資金繰りに
ついても推測できます。

決算書には、企業の体質が現れるものです。野心的な企業、保
守的な企業、老猶な企業、正直な企業などが決算書から読み取
れます。
決算書を上手に読み解く(理解する)ことは、経営者のビジネ
ス戦略には欠かせません。

粉飾や「脱税」を行なうことなく、合法的な範囲内で、
決算書をつくることが重要です。
実は、正しい決算書を作るのはむずかしいことなのです。
在庫の評価方法などがいい例です。
在庫の価額は、決算書の中でも非常に重要な数字です。会計の
ルールでは、在庫の評価額は、適正な方法で算出しなければな
らないとされています。

在庫の価値を算出する方法は、一応、会計規則などで定められ
ていますが、在庫の価値は、その時に応じて増減することがあ
ります。
会計規則は、在庫の価値の増減を正確に把握するようにはでき
ていません。
ここに恣意性が入り込む余地があります。
服などの季節商品の在庫価値は、正確な評価額が簡単にわかり
ません。企業は自分の意思で在庫の価値を把握して決算書を作
ります。

経営が苦しいとき、経営者はあらゆることを考えます。可能な
限り良い決算書を作りたくなるからです。
しかし、一度決算書をゆがめてしまうと、その後、ゆがんだ決
算書と向き合うことになります。
この点、決算書の作成において厳しく指摘をしてくれる税理士
や会計士を経営者のそばにおいて経営をおこなうことが重要で
す。
決算書をおろそかにする経営者から企業を成長させていくこと
はできません。
これは私がみてきた事実です。

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