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会計基準

リース取引の会計処理に大きな変化がやってくる

2027年度から、日本企業のリース取引における会計処
理が大きく変わります。
企業会計基準委員会は、新しいリース会計基準を議決しま
したが、その内容は、企業が有するリース資産や負債を全て貸
借対照表に計上することを義務付けるというものです。

この変更で企業の財務状況は透明性を確保できるようになりま
すが、企業経営にさまざまな影響を与えることが予想されます。

リース取引には「ファイナンスリース」と「オペレーティング
リース」があります。
ファイナンスリースは、資産を購入する形に近い取引形態のリ
ースです。
ファイナンスリースは契約に基づいて資産を利用するものです
が、契約期間が終了すると、資産の所有権がリース利用者に移
ることが特徴です。
借主(企業など)が選んだ複合機をリース会社が購入し、それ
を賃貸するのがファイナンスリースです。
ファイナンスリースは、中古市場で価値が下がってしまう物件
が対象となっています。
「ビジネスホン」「LED照明」「エアコン」「複合機」等が対象
となります。
固定資産税の納付、各種保険の手続きなども行ってくれるとい
ったメリットもありますが、オペレーティングリースと比較す
ると総額が高くなりやすいだけでなく、中途解約ができないと
いう点には注意が必要です。。

オペレーティングリースは、資産を借りて使用することを目的
としたリースで、契約終了後は資産が貸し手に返却されます。
このリースは、リース期間中も資産の所有権は貸し手に残って
おり、リース利用者は単に使用料を支払うだけです。
オペレーティングリースは、中古市場でも価値の高いものが対
象となります。
「自動車」「ヘリコプター」「飛行機」「工作機械」「建設機械」
「半導体製造設備」「印刷機械」等が対象となります。
期間を柔軟に設定できるということや仕訳処理が賃貸借処理で
すからシンプルなことが特徴です。また、「一定期間はできない」
「中途解約すると違約金が発生する」といった制限が設けられ
ていることがありますが、中途解約することが可能です。

これまで日本では、ファイナンスリースは企業の資産・負債と
して貸借対照表に計上されてきましたが、オペレーティングリ
ースはオフバランスシート取引とされ、損益計算書上のコスト
には反映されているが、財務諸表には反映されていませんでし
た。しかし、国際的な基準に合わせるため、日本でも全てのリ
ース取引を貸借対照表に計上することが義務化されることにな
りました。

オペレーティングリース取引を貸借対照表に計上することは、
これまで以上に企業の負債が大幅に増加することが懸念されて
います。企業経営では、自己資本比率や総資産利益率(ROA)
が重視されているケースもありますが、これらの経営指標が低
下する可能性が高くなってきます。

特に、不動産業、航空業、運輸業、小売業のようなリースを多
用している業界では、負債の増加が顕著になること予想されて
おり、その対応が急がれてきます。
もっとも、中小企業では、ファイナンスリースがメインですか
ら、この影響は大きくないでしょう。

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