ここ2年ほど値上げが順調におこなわれてきたようだ。総務省に
よれば、本年5月の消費者物価指数は生鮮食品を除いた指数が2
022年の平均を100として107.5となり、去年の同じ月よ
り2.5%上昇しました。8月には2.8%へ上昇しています。
電気代は、再生可能エネルギーの普及のための費用として電気料
金に上乗せされている「再エネ賦課金」が引き上げられたことな
どが要因で、去年の同じ月から14.7%上昇しています。
生鮮食品を除く食料は、3.2%の上昇で、前の月から03ポイン
ト下がり去年9月以降、9か月連続で伸びが鈍化しています。
生鮮食品を除く食料」で上昇したものは、「果実ジュース」が28
.5%、「せんべい」が16.9%、「調理カレー」が15.8%、「コ
シヒカリを除くうるち米」が10.3%、輸入品の「牛肉」が7.4
%、などとなっています。
総務省は「円安による輸入物価の上昇は、今後、一定の時間をお
いて物価に影響してくるとみられる。また人件費の上昇がサービ
スの価格にどのように反映されるか注視していきたい」と話して
います。
このように物価が上がっている局面ですが、企業によっては値下
げしている業種があります。牛丼などを提供している3社です。
この業界だけではないでしょうが、商品の価格上げれば、当たり
前なのですが、客数が減り売上が下がります。
とくにこのような業種の場合、固定費は売上が下がっても同じよ
うにかかってきます。
ホームセンターのカインズなどでも値下げがおこなわれています。
現在の状況は、電気やガスといったエネルギー価格の上昇や健康
保険料の値上げなどに伴うスタグフレーションの状況といっても
よいのではないでしょうか。
物価は上がるが、賃金が上がらない。
生活者は自己防衛をはじめます。
高くなった外食を避けて、なるべく安い食べ物でやりくりしてい
くようになります。
牛丼の値下げは、売上減少に伴う苦肉の策なのですが、賃金が上
昇しない社会では、企業間競争の激化から値下げがはじまるでし
ょう。
このような競争の行きつく先は、デスマッチですから、勝負がつ
くまで続くことになります。
いずれどこかの企業が淘汰されることで終わりを迎えますが、人
口減少社会は、究極のデスマッチを引きおこしますから国内の産
業には終わりがない戦いに明け暮れることになります。
日本は、究極の転換期にはいってきたということになります。
先日、星野リゾートが北米に温泉旅館をつくる記事がでていまし
たが、現在国内で利益を稼ぎ出してるうちに、海外投資をおこな
うことには、国内の将来性を見据えていると思われます。
経営のかじ取りはむずかしくなるのでしょうが、本当は、経営者
にとって面白い時代がきたのです。
経営能力が丸見えになる時代です。
本物の経営者には、楽しい時代の到来です。