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労働問題

管理監督職も定義を理解していない経営者が多い

中小企業では、管理監督職の運用もいい加減なのだが、こ
ちらは大手企業でも何社か裁判となっています。
管理監督職に関しては、行政が通達を出しています。そこで示
されてわれている内容は、一般的には部長、工場長など、労働
条件の決定その他労務管理について、経営者と一体的な立場に
ある者をいい、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきだ、
というものです。

さて、問題となるのが「経営者と一体的な立場にある者」です。
部長や課長なら経営者と一体的といえるかもわからないが、あ
の課長は経営者と一体とまで言えないのではないかなどと、な
んとも抽象的に判断されやすことです。
また、「本部の課またはこれに準じる組織の長・大規模の支店ま
たは事務所の部や課等の長などと同恪以上の人」と定義されて
いますが、課長に昇進したから、必ず管理監督者になるという
ことではないとされています。

法定労働時間や36条協定に基づく時間外労働、あるいは休日
労働などの対象となっていた従業員が、管理監督者になったた
とたんに保護されなくなつてしまうのはなぜか、ということに
理由があります。

そもそも管理監督者が労働時間等の規制の適用除外とるのは、
これらの対象者が労働条件を、ある程度自らで決定できる強い
立場に立つことができ、法定の労働時間などで保護を図る必要
性がないからです。
この点から「出退勤の自由」がひとつのポイントとなります。
自ら時間外労働や休日労働をおこなうか、あるいはおこなわな
いといった労働条件の決定権があって初めて管理監督者になり
ます。

以前、日本マクドナルド事件の後に「名ばかり管理職」という
問題が多発したことがありました。
そのとき出された通達があります。
「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者
の範囲の適正化について」が参考にります。
この通達は、日本マクドナルド事件後に、小売業や飲食業の業
態を前提に、管理監督者に当たるか否かの判断基準を明らかに
しています。
その内容は、遅刻早退等による不利益取扱いを受けないこと、
労働時間に関する裁量が認められること、基本給、役職手当等
の優遇措置が十分であることなど、かなり具体的な内容になっ
ています。
すべての業種に対応したものではありませんが「管理監督職」
を理解するための参考になるでしょう。

もっとも、中小企業では、課長にすれば残業代は払わなくてよ
いと言った都合よく考える経営者がいるため、真面目に経営に
取り組んでいる経営者には迷惑な話です。
中小企業では、実態として、経営者と一体となって仕事をして
いる部長までが、管理監督職でしょう。
部長職は、給与や賞与が相応な額になっており、出退勤も自由
なことが多いものです。
出退勤が自由というよりは、私が知る中小企業の部長は、朝早
くから夜遅くまで仕事を主体的にやっていました。
当然、多くの権限をもっています。
これこそが、まさに管理監督職です。

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