一週間ほど息子が住む信州へいっていましたが、信州では外食
することが多くなります。
今回、散歩の途中にある喫茶店へぶらりと入ってコーヒーを飲
んだりしましたが、流行っているお店には特徴があるようです。

先ずご夫婦で仕事をしていることです。仲良くかどうかはわか
りませんが、とにかく夫婦で店を切り盛りしています。
もちろん、なかには従業員を雇っているところもありましたが、
メインは、ご夫婦でがんばっていることでしょうか。

次に特徴がある店構えをしているところでしょう。
カントリーを主体にライブをやる店。
アコースティックギターで弾き語りができる店。
アメリカンスタイルが特徴的な店。
とにかくその店ならではの個性があります。

三つ目は、店が、地元の人たちとの交流の場になっていること
です。地元のお客様がメインであり、私たちのような旅のつい
でに立ち寄る人間は、決して主体ではないことです。
経営を考えれば、すぐにわかることです。
地元の人に愛されているからこそ、経営は成り立ちます。

旅で立ち寄る人たちは、地元の人たちのようにいつも店に来て
くれるわけではありません。
私が散歩の途中ではじめてはいった喫茶店は、午前中から地元
の人たちでにぎわっていました。みな普段着で野良仕事の合間
のような感じでした。

店の人たちとの会話も弾み、病気のことや日常生活のことなど
を大きな声で話していました。家庭生活の延長線上に店の存在
があるようです。
ツケでコーヒーを飲んだり、食事をしているようで、今日は持
ち合わせがあるから、少しお金を払っておこう、と客が話して
いました。そんなおおらかさがあるから、店の経営は成り立っ
ているようです。

反対に、特徴もなく観光客目当ての店はつぶれているようでし
た。観光がメインの土地柄であっても、毎年来てくれる客は少
ないものです。別荘でももっていれば別ですが、やはり経営と
は、たとえ観光地であっても地元の人たちに愛される店でなく
てはなりません。

私は、いろいろなことを観察して経営のなんたるかを知ること
が好きです。この点、食事ができるお店は、常におもしろく観
察ができます。少し大きな店構えになれば、食事の内容に特徴
があり、観光客と地元の人たちを含めて、売上を上げていくこ
とが可能なようです。

地方こそ、独自性を活かした地域密着型の経営が重要なことが
わかります。信州へいくと外食が増えるのは、やはり特徴があ
る食事ができるからでしょう。また、すばらしい景色をみるこ
とで食が進むようです。さらに、人間を中心とした標準化され
ていない外食文化をしっかりと根付かせていることが大切では
ないでしょうか。
私のような食事にあまり興味がない人間でさへ、今日はあそこ
へいきたいね、と言ってしまいます。
つい財布のひもがゆるみます。
温泉もよいのですが、今回の旅で、また好きなお店ができまし
た。

信州の温泉と食事は、普通の人間ではない私が、少しだけ普通
の人間に戻れるところかもわかりません。