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中小企業

補助金をもらえるが実行されないわけ

補助金は、国や自治体の政策目標を達成させるために、事
業者の取り組みをサポートすることを目的に、資金の一部を給
付する制度です。手厚い制度が多いのですが、特徴を理解して
いないと、時間をかけて申請してもうまく利用できないことが
あります。

最近よく扱われている補助金として、「事業再構築補助金
があります。社会情勢の変化により売上が下がった企業が新規
事業をおこなう場合に支援してくれる補助金です。
たとえば、飲食店がコロナ禍の不況の煽りを受け売上が減少し
てしまい、事業転換をしてティクアウト専門店にしたい、とい
った場合に、この事業再構築補助金は業態を変えるための店舗
の内装改修や販促用チラシなどの費用を3分の2補助してくれ
ます。

ところが、この事業再構築補助金は採択通知はくるのですが、
実態は実行されないのが実情です。
理由は簡単です。この補助金は「後払い」だからです。
店舗型飲食店からテイクアウト専門店へと事業転換する際に、
300万円かかるとして、その3分の2、200万円は国から
補助金として出してもらえるのですが、先に費用の300万円
は支払いが実行されなければ支給されまん。
つまり、300万円を経費として使い、領収書をもらったあと
に200万円が支給される仕組みになっています。

実際に補助金をもらうのであれば、申請する事業総額と同額の
資金を事前に用意しなければならないということになります。
事業者にとって考えている以上にハードルが高く、まずは資金
を集めるところから始めなければなりません。

「採択された通知が出ているのであれば、銀行から借入れ可能」
と考える方がいますが、補助金の採択通知だけで銀行はお金を
貸してくれません。
この理由も簡単です。経営者のなかには、補助金の対象となるお
金の使い方をしない方が必ず出てくるからです。
補助金を受けようとする経営者の多くは、資金が足りないから
補助金を受けようとしているのですが、現実は、その資金を用
意することのほうが難しいのです。

結論から言えば、補助金を検討している方は、前もって申請す
る金額と同額の資金を用意できるかを検討した上で、申請を考
えておかなければなりません。
資金を集めることができない場合、そもそも申請自体を最初か
らやめておきましょう。確実に時間の無駄になります。

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