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財務

現預金が多すぎるのも問題がある

「現金・預金」は多ければ多いほどよいかというと、そうでは
ありません。企業によっては、現預金を持ちたがらない場合が
あります。現預金は、企業からみれば寝ているお金であり、資
産を現金や預金で持っておくのはもったいないと思う経営者は
多くいます。

余分なお金があれば、有価証券を買ったり、土地を購入したり
して、手元の現預金は少ないというケースもあります。株式会
社というのは、株主から資金を集め、その資金を使ってお金を
稼ぐことを目的にしています。
株式会社の経営者というのは、資金をいかに有効に使うかとい
うことに尽力しなければならないからです。

とくに上場企業の株主から見れば、手元に多額の「現金・預金」
があるのであれば、それを使って何か投資をしてリターンを求
めるものです。上場企業では「お金の有効活用」について神経
をとがらせています。その意味では、大企業の場合では現預金
をあまり持たないのが一般的です。

他方、中小企業の場合は、現預金をかなり貯め込んでいるケ
ースがかなりあります。
日本の中小企業の大半は、株主と経営者が同じです。自分のお
金ですから、中小企業の経営者はお金の有効活用ばかりを考え
ていません。

むしろ、中小企業の場合、銀行からお金を借りるのが難しくな
ることもあり、いざというときのために現預金はなるべく多く
確保しています。
「現金・預金」の適正な残高というのは、業種によっても違い
があります。現金仕入れなどが必要な業種や、人件費の多い業
種は、常に多くの現金を持っているでしょうし、仕入れのほと
んどが買掛金で、人件費もそれほど多くない業種では、現金は
あまり持たない場合もあります。

「現金•預金」の額も、単に1年分の貸借対照表を見ただけでは、
それが妥当な数字がどうかはわかりません。だからこそ、単年
の「現金•預金」の残高を見るだけではなく、その推移を見るべ
きです。そのうえで「現金・預金」はどのような水準がベストな
のかといえば、激しい増減がないことです。

企業の「現金・預金」の残高が大きく変動するときというのは、
ほとんどが特殊な事情がある場合です。
それは、必ずしも経営が悪化したケースとは限りません。事業
形態を変えたために、現金が多く必要になったり、逆に必要で
なくなったりするケースもあります。しかし、どのようなケー
スでもステークホルダーにとっては注意が必要な状態なのです。

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