私が在籍していたある企業の創業経営者は、売上が上がらない
仕組みを構築していました。とても優秀な経営者です。
ほとんどの経営者は、売上や利益を上げることばかり努力する
ものです。その結果、売上や利益を落とします。
あるいは倒産させることもあるでしょう。
倒産させない経営とは、どのような経営なのでしょうか。
売上や利益に倫理を持たせているのです。
普通の経営者は、経営(儲けるために)に倫理などそっちのけ
で奔走しています。
優秀な経営者は、一旦立ち止まって考えています。
このような経営でよいのか、と。。。
この優秀な創業経営者が立ち上げた企業は、高額な商品を販売
していました。また、規制業種ですから、違法な契約をおこな
えば国や行政から厳しく監視され処分を受けます。
それでも社員は、高額な歩合給のため、多くの契約を獲得しよ
うとします。なかには法律違反をしながら多くの契約をとる社
員もでてきます。このような違法契約をおこなう社員がでてく
ると、たちまち企業は、営業停止処分を受けることになります。
この経営者のすばらしいところは、法律を遵守しながら高額な
商品を販売するための仕組みを構築していたことです。
創業から苦労を重ね、将来あるべき姿を考え、さらに実行して
いました。しかも、単なる売上でなく、正しい売上と利益を確
保するための社内体制を自力で構築していたのです。
このような厳格な仕組みを導入すれば、一時的に売上はダウン
するでしょう。他方、はじめから正しい手順を踏んだ契約体制
は、適正な販売行為とともに、正しい売上と利益を企業にもた
らします。
長い時間でみていけば、あれから25年近くたちますが、結果
はあきらかです。
私が在籍していた当時、若干36歳の青年経営者でした。
この年齢で、このような仕組化を済ませていました。
そのほかにも、クレーム対応における先進的な取り組みをして
いました。メルカリとは大違いです。
だからでしょうか、この経営者とともに企業は、着実に確実に
成長していきました。
ソニーのような大企業ではありませんでしたが、立派な創業経
営者でした。