中小企業だけではありませんが、上場企業でもオーナー経営者
の場合、福利厚生費の名目で、社長の個人的な支出がありまし
た。
私が経験したケースは、会社が所有する別荘でした。税務調査
でバレたのではありませんが、労働組合が調べて問題化しまし
た。経営者の家族だけで利用していたからです。
この別荘の購入は、私が入社する前でしたが、労働組合だけの
問題でなく、税務調査に入られた場合に問題となるケースです。
私は労働組合との交渉から売却を進言しましたが、経営難でし
たから、経営者もすぐに売却を決定しました。
このようなケースは、中小企業ではいたるところにみることが
できるでしょう。福利厚生費という場合、会社が社員の健康や
娯楽のために支出をしたときはじめて経費計上できます。
たとえば、スボーツ観戦、コンサートなどのチケツト代金、ス
ポーツジムの利用料などが経費計上することができます。
福利厚生費で気をつけなくてはならない点は、会社で福利厚生
費として支出する場合は、一部の社員だけが恩恵を受ける場合
は、ダメだということです。仮にスポーツジムの利用料を福利
厚生費として計上する際、社長やその家族しか利用しておらず、
他の社員は利用できないようになっているような場合は認めら
れません。これが案外多いので注意が必要です。
福利厚生費が認められるかどうかのポイントは、ひとつは、 社
長の家族以外の従業員も使える(使っている) かどうか、ふた
つめは、世間一般の常識に照らし合わせて、福利厚生の範疇で
あるかどうかという二点です。
社長の家族以外の従業員も使えるかどうかは、従業員も使える
ように規則上はなっていても実態が必要です。福利厚生は、就
業規則などにきちんと記載して、それを従業員にも配布してお
くことが求められます。世間一般の常識に照らし合わせて、福
利厚生の範疇であるかどうかというのは、むずかしいものです
が、大企業や公務員が行っている福利厚生などを参考にしなが
ら検討しておけばよいでしょう。