大手上場企業に限らず中小企業でも株主構成は変わることもあ
りますが、大きな変更があった場合、非常に注意が必要です。
特に創業者が自分の持ち株を大量に売ったような場合、その企
業で何か大きな変化があったことを意味します。
創業者が引退するので経営を他の人に任せたい、という場合で
あれば、それほど問題ではありませんが、理由がなく持ち株を
売り払ったようであれば、経営に行き詰まり、第三者に株を売
った可能性も考えられます。
創業者が自社株を売るとき、だいたい経営的にあまり良くない
ものです。また大株主に新参者が入ってきたときも注意が必要
です。実際にあった話ですが、ある企業に大掛かりな詐欺グル
ープが入り込み手形詐欺を働きました。
創業経営者は経営不振から株を売却したようですが、事実上、
詐欺グループに経営を乗っ取られたました。このような問題を
起こすことがありますから、売却先にも注意が必要です。
また、ファンドなどが大量に株を買い、大株主に名を連ねてき
た場合は、その企業で大きな改革をおこないます。すべてのフ
ァンドではありませんが、ファンドの姿勢というのは、経営の
傾きかけた企業の株を安く買い取り、急激なリストラなどを実
行して、株価を引き上げて売却する傾向があります。
株主の変動については、中小企業でも決算書と同時に株主の確
認を怠ることはできません。
経営者の立場からすれば、いかにうまく売却できるかを考えて
いますし、実際、私がいた経営者は、上手に売却ができ借入金
をすべて返済し、従業員の解雇などもおこなうことなく事業譲
渡をおこないました。
このようにうまくいくことはめずらしく、多くは、破綻したり、
問題を残すことが少なくありません。