大企業と中小企業の決算書は大きく違います。ウソがあっても
、大企業と中小企業のウソは正反対になることが多いようです。
大企業のウソは、ほとんどが粉飾決算です。
大企業は、業績が悪いと株価に影響したり、銀行が融資を引き
揚げたりなど、悪い結果を呼び込みます。また、経営陣は業績
悪化の責任を取らされることもあり、そのためか、大企業の決
算書における粉飾は、架空の売上によることが多いのでしょう。
他方、中小企業の場合は、収益を少なく計上するウソがほとん
どのようです。中小企業の場合、多くはオーナー経営者(社長)
です。オーナー社長の会社では、会社から役員報酬として十分
な額を受け取っていることが多く、あえて利益を出す必要があ
りません。むしろ利益は出さないほうがいいのです。高い法
人税を課せられるからです。
また、中小企業はほとんどが非上場なので、株価を上げる必要
がありません。要は、オーナー社長の会社は、利益が大きいよ
りも小さいほうがメリットは多いものです。
だから、決算書は利益を少なくする経費架空計上などをおこな
いがちです。
もちろん、大企業でも中小企業でもそれぞれの企業の状況に応
じた粉飾になります。
大企業であっても、非上場会社や、オーナー社長の会社では、
利益を出すことはあまりメリットがありません。利益を少なく
する粉飾への欲望にかられることがあります。また中小企業で
も、銀行借り入れの多い会社や、公共事業を受注している会社
は売上を上げる粉飾をすることがよくあります。
決算書のウソといっても、企業の性質によってその内容はかな
り違ってきます。
決算書を読み解くのは意外とむずかしいものがあります。