決算書には、経営者の意思が反映されますが、いくつかのタイ
プがあります。
先ずは、少しでも利益を大きく見せたいという野心的な決算書
でしょうか。次に、税金をケチりたがる決算書です。さらに、
すぐに損失を計上してしまう保守的な決算書。最後に、 業績悪
化を隠そうとする決算書です。
どれも経営者の姿勢が如実に現れてきます。しばしばみること
ができる決算書は、なんといっても野心満々タイプです。
上場企業に限らずオーナー経営者に多いタイプです。
利益を大きく見せ、株価を上げたい、株価を引き上げることで
多額の資金を得て、それを企業買収などで活用しようする決算
書です。
上場を目指している新興企業、あるいは上場したばかりの企業、
大株主に外資系ファンドなどが入っている企業によく見られま
す。ライブドアやある時期のビックカメラの決算書などでしょう
か。
このタイプの決算書は、ひとつ間違えば粉飾決算になる要素が
あります。私が在籍していた中堅上場企業のオーナー経営者は、
業績悪化から、決算月に粉飾に手を染めていました。業績悪化
が止まらずやったようですが、問題がありました。ただし、事
業売却によってこの危機をのりこえましたが、倒産寸前でした。
このタイプの経営者は、勢いがあるときはよいのですが、一旦、
守勢にまわったときにジタバタして問題を起こします。オーナ
ー経営者にわりと多いのかもわかりません。
従業員もこのような経営者には注意を払っておかなければなり
ません。気が付いたら不正に手を貸していたということがある
からです。