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経営判断

揉める早期退職優遇制度

2024年の上場企業の早期・希望退職の募集人数が11月中旬時点
で約1万人に迫る水準となった、とメディアが報じていた。2023
年の年間と比べても約3倍の水準で、直近では新型コロナウイル
ス禍の影響を受けた2021年に次ぐ勢いで推移しているそうだ。
東京商工リサーチの集計によると、上場企業が24年11月15日ま
でに募集した早期・希望退職者は53社計9219人だった、と報道
されていた。

企業が景気悪化などの理由によって、早期退職する者に対して退
職金を優遇するといつた早期退職優遇制度がありますが、労働者
が自分の判断でこれに応じている以上、問題はないように思えま
す。ところが、意外に事後にもめているケースも見られます。
対象者の選択がおかしいという主張です。
たとえば、出向者を対象者から除外したり、制度の適用年齢を一
定年齢以上としたり、一定年齢以上の者については自動適用とす
るなどがあります。

結論から言えば、早期退職優遇制度の実施に関しては、これらの
条件によって直ちに労働者側に不利益を及ぼすものではなく、応
じるかどうかは、労働者自身の判断であり、一般的には、いかな
る者を適用対象とするかについて、企業側に広い裁量が認められ
ています。先ほどの内容においても、対象者によって条件を変え
るといった制度設計も可能です。他方、合理的な理由なく男女間
で退職勧奨基準年齢に差を設けるなどすれば違法となってしまい
ます。

中小企業で早期退職優遇制度を実施する場合には、よく理解した
うえで対応する必要があります。
強引に進めるケースがあるのが中小企業の特徴ですが、実施後、
大きな問題を起こしている企業がありました。
いずれにしても中小企業の場合、労働専門弁護士をいれて、きち
んとして対応を検討しておくことが重要です。
これをやらないがために、経営者は、企業を危うくしてしまいま
す。

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