パワハラとは、簡単に言えば上司による部下に対するいじめ、
とされています。パワハラの大きな問題のひとつに「部下へ叱
り方」があります。上司は、仕事のやり方やその結果に関して
部下を叱ることがあります。しかし、その場合、下手な叱り方
をすると「パワハラ」といわれて反撃を受けることがあります。
私の経験でも、人前で部下を叱ることがありました。また、私
自身が上司や経営者から叱らことがたくさんありました。
叱る場合、部下といえども相手は人間ですから、部下の人格を
キズつけるような言い方はしてはいけないとか、部下の育ちな
ど人権に関するような言葉を使ってはいけないと教わってきま
した。昨日書いた遅刻常習犯のケースと同じで、なんの前触れ
もなく、急にキレるのはとくに問題です。
前触れもなく突然一方的に叱責するといった態度に問題がある
と判断されたのが「天むす・すえひろ事件」です。
社長が自らスカウトして取締役統括部長として入社した人物が、
社内の協力が十分に得られず壁に当たりました。都度、社長は
やむなく業務内容の変更を何度か指示しています。ところが、
ある日から急に、社長が統括部長の仕事ぶりにキレ始め、一方
的に非難したり、執拗に不快感をあらわにしたため、統括部長
は肉体的精神的な疲労を蓄積させ、健康状態が悪化、就労不能
となり退職に至った事案でした。
結論は、このような社長の態度は不法行為にあたる、というの
が裁判所の判断です。
やはり、感情にまかせてキレたように叱るという態度をおこな
ってはいけません。叱るという行為には、感情をぶつけるもの
ではなく、部下の成長を促すために計画的におこなわなければ
ならないということです。
私も多くの経営者はみてきましたが、これができない中小企業
のオーナー経営者は多かったです。その結果は、残念ですが、
業績不振や倒産などへ至りました。
反対に叱ることがないオーナー経営者が率いる企業は、上場は
できませんでしたが、現在でも地道に成長をしています。
これが事実です。