私がみた創業経営者で成功している方は、自己規律を有していた。
公私の区別をきちんとつける、常に自分に高い自己目標をかかげ
ていたが、困難に立ち向かい克服し、高い報酬を手にしていた。
心に余裕があるが、それは創業から積み重ねてきた経営実績に裏
打ちされていた。とにかく自己に厳しかった。
反対に社員には優しく接していた。自分には厳しいが他者(社員)
へは企業を成長させてもらっているという一人の人間として接し
ていた。
社員は、みなこのような創業経営者を尊敬していただろう。
成果を出す社員へは、高い報酬で報いていたし、相応なポジショ
ンを与えることを忘れていない。
中途採用者に対しても仕事の能力があれば抜擢し、成果を出せば
高い報酬とポジションを与えた。
中途採用者としての不利な条件がない。仕事を通して機能的に人
材を配置していた。いわゆる適材適所だった。
毎年、好業績を叩き出し、人員は増加し、企業は確実に成長して
いった。
創業経営者の高い自己規律と困難を克服する主体性が大きな報酬
として自らに還ってきていた。
私が在籍していたときは、社員のほうが高い報酬を得ていた時期
があった。能力がある社員をきちんと評価して働いてもらってい
た。
見事な経営だった。