会社の組織というところは底辺に位置する、専門的スキルのない
人たちによる仕事が必ずあります。会社は、このよう人たちの仕
事によって成り立つています。本来、仕事には地位や技術など関
係ないことです。大事なことは、地位や役職ではなく、一人一人
の社員の心の持ち方のほうが重要なのだと思います。
会社や仕事に対する精神を理解せず、心得違いをしている人は少
なからずいるものです。社員や取引先などに横柄な態度で接する
人、社員を無視する人、お客様へ極端にこびへつらう人、おしゃ
べりばかりする人など、職場というところは、人間の心の在り方
がみえるところでもあります。
経営者の心の在り方は、やはり一目でわかるものです。実際、立
派な経営者は自分の利益を追求するよりも社員や人びとに奉仕す
ることに注力していました。
私がみた経営者は自分の欲求よりも他人を優先していく能力をも
っており、それは自分の問題を後回しにするということではなく、
常に他人の必要性に応じて、自ら他人を助け、他人の欲求を重要
なものとして受け入れることができることでした。
経営者が精神的に安定していなければ、このような対応は不可能
であり、社員や取引先などに奉仕する気になれないほど尊大な人
ほど、精神的に不安定な人でした。
経営者に限らず、私たちが他人にどう接するかは、われわれが自
分のことをどう思っているかの表れでもあります。
「エンパワーメントの法則」によると、精神的に安定している人
だけが人びとに力を与えることができるといわれています。同様
に、精神的に安定している人だけが他人に手を差し伸べる力を発
揮することができるということとあります。
企業が成長していくには、やはり原理原則がありました。