現代は、言葉の時代だ。多くの言葉が躍っているが、企業をみ
れば契約という言葉に追われている。だからだろう、納期に間
に合わせるために現場を威圧(ないがしろに)する。
中途半端な仕事は、いずれぼろが出る。こんな社会になている
からこそ、現場を大事しなければならない。
現場には、真実が宿る、と私は確信している。
言葉が躍る経営や組織ほど危ないものはない。利益のためなら
手抜きも、不作為の指示命令で了としてしまう企業風土ができ
ている。
現場の人間は理解しているのだが、なんといっても経営者(経
営職)は言葉による利益を追求する。
実態が上滑りするなんともあさましい光景だ。
ソニー子会社時代、現場の人間を大事にしていた管理職がいた
部門ほど業績がよかった。
管理職は偉そうにすることもなく、しばしば社員たちとフラン
クに話をしていた。私が現場にいっても同様に、なんでも話し
てくれた。
また、現場の社員と話をすることを許容してくれていた。
こんな環境だからだろう。よいアイデアがでて全社的に導入で
きるような企画を出し、経営サイドで承認されればすぐに実行
して成果を出していた。
反対に、管理職が権威的なタイプは、現場が混乱し成果がでな
いばかりか、現場の社員の意思によって管理職は異動させられ
た。何事もオープンな文化があった。この部門は、一時混乱を
きたしたが、その後、新たな管理職のもとで社員たちは自由に
意見交換できるようになり、積極的に仕事をおこない成果を出
した。
中小企業は、権威的なマネジメントおこなう大手企業を見習っ
てならない。中小企業の経営者こそ、自分に厳しく、しかも現
場の意見を聞く経営をおこなえば、必ず成果は出せる。
反対に、独善的な経営をすれば、早晩、間違いなく倒産する。
人間がもつ感性は、AIには対応できない。多くの社員の感性を
活用できる企業が成果を出せることを、私はソニー子会社のマ
ネジメントで体得した。
AI社会になればなるほど、人間による優位性があきらかになる。
みなAIに溺れていく。そんな世の中は、先がみえている。
ビジネスには人間の感性が必要であり、ビジネスの本質は人間
がおこなうところにある。
AIやロボットには人間にとって付加価値がない面倒な作業をさ
せておくだけでよい。多くの会社がAIを利用するだろう。
そんな環境で、ビジネスの差別化ができるのだろうか、と私は
思っている。仮にAIを利用する場合でも、AIをどのように活用
するかは、やはり活用できる人間次第となるだろう。
突き詰めてみれば、ビジネスとは、どこへいっても人間であり、
現場なのだ。
それがわかる経営者がいる企業は必ず伸びてゆくだろう。