中小企業の創業者は、そもそも仕事に打ち込むことに集中して
いるものです。零細企業では、一つでも判断を間違えば会社は
すぐに傾いていきます。創業経営者は何を基準に経営のかじ取
りの判断をすべきか、どのように経営にあたるべきか、それぞ
れの企業の経営者は、思い悩んでいたようにみえました。
創業経営者は、自分の直観を信じて行動し、成果を出していま
した。その一方で事業が順調に成長してくれば、自分の直観だ
けでは経営を進めていくことができないのではないか、とも考
えていました。とくに大手企業出身者を採用し雇用する創業経
営者は、そのような人たちに経営に必要な機能をサポートして
もらうことを望んでいました。
大手企業の出身者が活躍してくれば、会社組織の各機能はうま
くまわってくるようになるものです。ところが、その一方で、
採用した管理職から聞く話は、ほとんど理解できないようでし
た。
この時点で経営者の資質が明確に分かれます。
ひとつは、大手企業出身者の話を聞かなくなり、採用した管理
職を遠ざけていくタイプの経営者がいました。
もう一つは、むしろ採用した管理職の話をよく聞き、相談しな
がらその管理職に仕事を任せていくタイプの経営者でした。
結論からすれば、前者の経営者のほうが圧倒的に多いものでし
た。後者、私の経験でいえば、3名の経営者だけでした。また、
その後も大手企業の出身者を採用し活躍させていた経営者はひ
とりだけでした。
結果は、約20年間で約170億円から現在では1000億円
を超える規模に企業が成長しています。
経営業は、簡単に言えば人材活用業です。
この基本が理解できている経営者がいる企業は、成長発展して
いきますが、反対に、このような人材を遠ざける経営者がいる
企業は衰退していきます。
中小企業から事業を拡大する場合、ここがターニングポイント
になります。
これができないようであれば、経営者自身でがんばれる範囲で
経営をしておくほうがよいでしょう。
事業規模は小さくとも、経営者の能力によって稼げる経営がで
きまるからです。
無理な拡大はしないほうがよいのです。