経営者は、仕事の原理原則をどこで学ぶのでしょうか。私がみた
経営者は、仕事のことよりは、先ず人間として何が正しいかとい
うことを、判断の基準にしていました。物事の判断にあたって、
私が知る経営者は、常にその本質にさかのぼり、人間としての基
本的なモラルや良心にもとづいて何が正しいのかを判断していた
と思います。
人間として正しいこととは、幼いころから両親から教えられたこ
とや、小学校や中学校の先生に教えられた「善いことと悪いこと」
というような素朴な倫理観に基づいていたようでした。簡単に言
えば、公平、公正、正義、努力、勇気、謙虚、誠実というような
ことだったでしょう。
経営の現場において、このような基本から指示が出されていまし
たし、そのような態度で私たちの話を静かに聞いていました。
人間としての基本スタンスが、そこにありました。
どんな些細に思えることのようなことでも、原理原則にさかのぼ
って徹底して考えることは、大変な努力をともなうものです。し
かし、誰が見ても普遍的な正しさをもつことで、意味があり筋の
通った経営をおこなうことが可能となりました。
経営における会計も同じように原理原則から学び、部門の機能構
築していました。会計上の常識に流されることなく、考え方や慣
行を踏襲するのではなく、改めて本質から考え抜き、会計の原理
原則に立ち戻って判断しているのでした。経営者は、一般に認め
られている「会計基準」をむやみに信じるのではなく、経営の立
場から「なぜそうするのか」ということを企業の現場からその本
質をつかみとり、自社の経営原理として構築していました。
やはり独自性がある経営を行うために、常に原理原則に戻って仕
事を進めていく姿が印象的でした。