売上や利益に執着することは、経営ではマストです。ソニー子
会社時代でも、この点は徹底されていました。自分たちで作る
事業計画ですから、そこから逃げることはできません。
社員や管理職のなかには、できない理由を述べる人もいました
が、そんな姿勢では、そもそも売上や利益は上がりませんでし
た。
中小企業に限らず、大手企業の子会社でも創業期は必死で売上
を求めて彷徨していました。新たなビジネスに挑戦していたの
ですから、むずかしい局面ばかりです。それでも「売上を伸ば
し、利益を出すためには、どうするか」と各社員や管理職は懊
悩し、そして日々挑戦を繰り返していました。
そんな挑戦のなかに光が見えてきました。光が見えてくれば、
社員の多くは、さらに挑戦していきます。売上が上がり利益が
増えれば、給与や賞与が上がります。さらに休日が増えていき
ましたから、社員たちは、当たり前のように仕事に向かって日
々努力していきます。
ソニーは前例のないことに挑戦することを尊びます。失敗を許
容する文化があり、成功するまで気楽に(仕事は厳しいのです
が、いつも心に余裕がもてる)やっていける環境がありました。
今の時代、消極的で否定的な姿勢の人が多いように思います。
社会の変化に多くの人は影響されてきますが、そんな時代だか
らこそ、千載一遇のチャンスがあり、今ほどベンチャー企業や
中小企業が挑戦する時代はないと、私は確信しています。ソニ
ーは、戦後のなにもない時代に生まれた企業だからです。
会社の未来を創った事実の根底には、社員を信じ仕事を任せ、
挑戦を尊ぶ経営者の存在がありました。そんな経営者が増えて
いくことが、今は小さな企業であったとしても、そこから確実
に脱皮できると、私は自分の経験から知ることができました。