企業経営には、多くのリスクが存在します。そのすべてに対応
することはできませんが、中小企業ほど経営者の一言が響く組
織はありません。私は、この点が非常に重要だ、と考えていま
す。昨日のフジテレビジョンの第三者委員会の報告に関して、
中小企業が学ぶべき点は、リスク管理だ、と思いました。
私がみてきた経営者のなかで比較的にリスク管理の意識が高い
経営者は、2名でした。1名は創業経営者です。私は問題が発
生しない前提でリスクマネジメントについて提案と改善を進言
していきますが、その途上でもリスクは発生します。とくに成
長著しい企業ほど問題は多発します。
その際、創業経営者の考え方と発言は、企業を構築する上での
背骨です。どんなスタンスが必要かも簡単です。先ず、人権意
識(人としてあるべき姿)が高く、高潔なことです。人間とし
ての原理原則から物事を判断することができました。
即効性のある対応は、法律ではできません。最初の解決の糸口
は、間違いなく経営者の決断です。
ここがすべてのスタートです。大企業になれば、権力をもつ人
たちにこびへつらいながら出世していく人間が多くなりますが、
私が知る経営者は、創業期から長くいたこのようなタイプの人
間を時間をかけながら遠ざけていかれました。
企業を成長させていくためには、意見を述べることができる健
全な人材の登用が求められることを理解していました。
企業の成長に合わせて経営職や管理職を代えていくことを躊躇
しません。もちろん、交代させられた人間はショックでしょう
が、この経営者は、経営職や管理職の次のポストを検討しなが
ら実行しました。このような人事をされた人間は、自ら退職す
ることを選択するものです。私も、その一人でした。私自身は、
企業規模の拡大と同時に業種特性からいっても去るべきだ、と
考えていましたから、なんら問題はありませんでした。
このように事業規模に対応する人材を確保し、配置することは
経営者の最優先事項です。私が知る経営者は、とくに意見具申
することができる人材を自分の配下として活用する人間でした。
創業経営者は、事業の成長と同時に発生する、あらゆるリスク
に対応するために人材を活かしていたことが印象的でした。
また、なにか問題があれば、自らが説明責任を果たす人でした。
今の時代、自分のお尻を拭けない経営者や経営職がいかに多い
ことかと、私は感じています。なんら説明責任を果たすことな
くいなくなる。(退任するなど)
こんな尻を拭けない人間が大手企業の経営者なのです。創業経
営者が、こんな経営者に負けるはずはありません。今は小さな
企業であっても、むかしはソニーだって小さな企業だったので
すから、経営者は、自らを鍛えて大手企業にしていく努力をし
ていけば、いずれ大企業へ近づいていきます。
私は、そんな創業経営者をまじかにみてきましたが、経営の凄
みを恐れたことも退職理由のひとつでした。
生ぬるい環境はありませんでした。中小企業が大企業へ変貌す
るプロセスは創業経営者が生死を賭けた戦いの場なのです。