企業経営とは、結論から言えば、ひとつも同じものがありませ
ん。経営者が違い、社員が違い、経営管理システムが違います。
同じような商品を販売していても好業績の企業もあれば、不振
を極める企業があったりします。
私がみてきた範囲で言えば、販売しているモノは同じでも、好
業績を出す企業は、経営のやり方が違っていました。要は、経
営マネジメント、経営のやり方が違うということです。経営と
は、突き詰めると、他社との違いをいかに引き出すかに行き着
きます。
おそらくですが、私がみてきた範囲で言えば、社員の質はそれ
ほど違いはありませんでしたが、経営とは、違いをみつける作
業の連続です。私がみてきたほとんどの中小企業は、違いがな
い商品の販売やサービスをおこなっており、他社と競合するこ
とが多く、必然的に低い利益しか出せませんでした。
中小企業でも高い利益を出すことができていた企業は、いたる
ところに違いがみられました。他社と同じものを販売していて
も、同じことをやっていても利益はでません。工夫が必要なの
です。社員の雇用に対する工夫、販売方法の工夫、仕入の工夫、
マネジメントの工夫、経営とは、いわば工夫をみつける作業の
連続であり、他社と違う工夫ができてはじめて企業は成長して
いきました。
なにも考えず、他社と同じことをやっていることは経営ではあ
りません。それは、ただの模倣です。この点で、経営の意味を
理解している経営者は少ないものです。大手企業では、泣き言
が言えますが、残念ですが、中小企業では泣き言が言えません。
そんな時間があれば、考え抜くためや創意工夫を凝らす時間に
しなければなりません。
私が知る創業経営者、それを徹底的にやり抜くことで、中小企
業から脱皮するチャンスをつかんでいきました。現在では、押
しも押されぬ大企業となっています。