「組織は戦略に従う」と言ったのはチャンドラーですが、サッ
カーでは、どういう戦い方をするかが先にあり、そのためのフ
ォーメーションが決まっていくようです。組織ありきで、そこ
に仕事を割り振っている会社が多いので、大切な言葉ではない
でしょうか。
中小企業では、チーム制を導入することも有効な場合がありま
す。チーム制は、社員を数人のチームに分け、チーム単位で利
益を管理していく手法です。この場合、売上と利益の貢献に対
してチームメンバーのボーナスが大胆に連動する仕組みがあり
ました。私が経験したなかでは、相当高額な歩合給を出してい
ました。
この場合、チーム・リーダー(責任者)に大きな権限委譲がさ
れていました。仕事を獲得するかどうかは、1 0 0 %チーム・リ
ーダー(責任者)の自由裁量です。利益が出なければ、 1 0 0 %
チーム責任者の責任です。売上を上げ利益がでれば、高額な歩
合給が支給されます。
利益は自分たちの力で稼ぎ出すしかないという危機感が常にあ
りました。他方で、利益目標を上回れば、驚くほど高額なボー
ナスが支給されます。利益に対する当事者意識が当然ですが、
強くなり、各チームとも必死に利益を生み出す努力をします。
この企業は、毎年黒字経営で、しかも無借金という超優良企業
でした。
このような組織形態と管理の仕組みは実に単純ですが、黒字経
営という課題に対しては絶大な効果を発揮します。理由は、黒
字経営の足し算は、常に答えが黒字だからです。
このような管理形態の本質は、管理を可能な限りシンプルにして、
明確な利益責任を負わせることです。
中小企業で高額なものを販売するようなケースでは有効に機能
していました。しかし、ここにも経営の独自性(創意工夫)が
ありました。