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経営指標

経営指標の利用には注意が必要です

経営指標の活用は、企業にとって有効な手段ですが、注意する
点があります。それは経営指標を改善するために、数字を勝手
に操作してはならないということです。たとえば、 R O Aを指
標として活用していれば、分母である総資産を圧縮すれば、利
益は同じ額でも数字が改善できます。現在、よく目にしますが、
自社株買いです。資本金を圧縮したり、保有する資産を売却す
れば、分母が圧縮され、事業の実績にかかわらず指標の改善が
できます。自社株買いは、一時的にはROAを簡単に改善させま
す。

事業規模に比べて資本金や資産が過剰な場合や不稼働資産、さ
らに将来利益を生まないと判断された事業は、それらを整理す
る必要があります。他方、単にROAの経営指標の見栄えをよく
するためにおこなう自社株買いや資産売却は、そもそも本末転
倒ではないでしょうか

実態は、自社株買いをすれば一時的に株価が上がったり、資産
売却で特別利益を出して、配当金を増やすことが可能となりま
す。多くの株主は、このような施策に賛同します。
このため、多くの企業で自社株買いや資産売却がおこなわれる
のだと思います。このような他社の対応に関して、株主だけで
はなく、経営者は、この誘惑にかられないように経営執行しな
ければなりません。
理由も簡単です。自社株買いや理由なき資産売却は、投資をし
ない隠れ蓑であり、経営指標を意図的に改善するものだからで
す。

自社株買いをする企業のなかには、積極的な投資をおこない成
長分野へ挑戦しようという気概が少ない企業があるのではない
か、と私はみています。
経営指標といえども、そこに経営執行の確かな実態が伴わない
経営は、経営指標を利用するだけで、活かすことはできません。

他方、未上場の中小企業の経営者には、ROAの真の意味が理解
できるのではないでしょうか。
常に借入利率以上の利益率を上げていかなければ、企業は借り
換えすることができなくなり、いずれ倒産するからです。
経営指標とは、活動実態を伴う指標であり、企業の挑戦とその
努力の結果を表すものでなければ意味がありません。
経営指標は、とくに中小企業において活用していくことで、自
社の経営状態を把握することが可能となります。
中小企業の経営指標の活用は、常に生身の経営努力のなかで指
標(数字)がみえてくるという点で、その本質が違います。

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